恐怖漫画の巨匠・楳図かずおさんは、漫画以外にも強烈な“代表作”を残していますよね。
そう、誰もが一度は目にしたことがある「まことちゃんハウス」です。
独特なデザインと数々のエピソードで、今なおファンの心を離さないこの家。
現在、この家はどのような姿になっているのでしょうか?
さまざまな出来事を経て変化した「まことちゃんハウス」の今とその歴史に迫り、その魅力を詳しく調査していきます。
楳図かずおさんはまことちゃんハウスに住んでいなかった
楳図かずおさんといえば、なんといっても「まことちゃんハウス」の赤と白のボーダー柄ですよね!
でも実は、このインパクト絶大な家には住んでいなかったんです。
「なんでそんなに派手な家を建てたのに、住まないの?」
と思う方も多いかもしれませんが、理由は後ほど詳しく見ていきます。
現在の家はマンションで一人暮らしだった
楳図さんは晩年、吉祥寺のマンションでひとり静かに過ごしていました。
「まことちゃんハウス」が話題の中心だった頃、裁判や近隣トラブルもあったため、長く住むのは難しかったのかもしれません。
それ以来、目立つ建物を避けるかのようにマンションを住まいとして選んだようです。
かつては「赤白ボーダーシャツ」で吉祥寺の街を歩く姿が目撃され、「吉祥寺の妖精」なんて言われたことも。
ところが近年は外出も控えめになり、その姿を見かける機会は減っていたそうですが、吉祥寺界隈でのんびりと暮らし、作品からは想像できないほど穏やかな生活を満喫していたようです。
話題になったまことちゃんハウス
「まことちゃんハウス」といえば、そのインパクトある外観が一大話題を呼びました。
赤と白のボーダー柄が街の景観にそぐわないとして、建築中から「色彩の暴力」と批判を受け、周囲の注目を集めました。
ですが、これがきっかけで多くの観光客やファンが訪れる場所となり、まるで観光地のように盛り上がったのです。
現在のまことちゃんハウスの様子は?
2020年頃の報道では、「まことちゃんハウス」がかなり荒れてしまっているとされ、庭の雑草が伸び放題で、あの赤と白のボーダー柄も薄れて見えるほどでした。
しかし最近では手入れがされており、赤と白のインパクトのある外観が戻ったようです!
吉祥寺を訪れる観光客には根強い人気があるようで、SNSには「まことちゃんハウス」の写真がたびたび投稿されています。
「あの家を見に吉祥寺に来ました!」
というファンも多く、周囲で写真を撮る姿が今も見られるんです。
最近では手入れもされているのか、以前よりも綺麗に見えることもあるようです。
現在の「まことちゃんハウス」は、一見ひっそりとしているようで、じつは訪れる人が絶えない“静かなる観光名所”として息づいているのかもしれませんね。
時の流れの中で色褪せる部分もありますが、それもまた楳図かずおさんの独特の人生と重なっているように感じます。
ファンにとっては、変わらず存在し続けるだけで十分価値があるのかもしれません。
2007年には裁判に
「まことちゃんハウス」が大きな話題となったきっかけの一つが、2007年の裁判騒動です。
建築中からその外観が話題になり、近隣住民から「景観を損ねる」という理由で建築差し止めの訴えを起こされたんです。
「色彩の暴力」なんて言葉も飛び交い、「派手すぎて落ち着かない」という声も当時はありました。
しかし楳図さんは、
「赤は元気で生きている印、白は無垢で何もない余白。エネルギーを感じさせてくれるんです」
と語り、このデザインに込めた思いを法廷で説明しました。
結局、裁判所は「景観の調和を乱すものではない」として楳図さんの勝訴。
思い描いた通りのデザインが完成しましたが、これがご本人にとってかなりのストレスだったそうです。
裁判を通じて「時間が解決してくれると信じている」と語っていたものの、その後「まことちゃんハウス」にはほとんど住まない生活を選択されました。
その後トラウマになり住んでいない
裁判をきっかけに「まことちゃんハウス」に住むことを避けるようになった楳図さん。
その理由についてご本人は
「最初の頃に4、5日くらいいたかもしれませんけど、あそこに行くこと自体嫌なんです」
と語っています。
さらに、
「あの辺りに近づくだけで、ゾッとするんで行ってないんです」
と語るなど、裁判での経験が精神的な負担となってしまったようです。
2020年頃には廃墟寸前に
「まことちゃんハウス」は、2020年頃からすっかり荒れた様子が目立ち始めました。
楳図さんご本人は、以前は「毎日掃除に行っていた」と語っていますが、次第に足が遠のいていったそうです。
楳図さん曰く、
「台風でシンボルにしていたモミの木が倒れちゃったんですよ。それから気分的に行かなくなりました」
とのことで、その後1年近く訪れていなかったとも話しています。
事務所やゲストハウスとして利用
荒れた状態になっていた家も、やはり思い入れがあったのか再度手入れが施され、綺麗になってからは再び大事なお客さんを迎えたり、インタビューや取材の場として利用されることも増えたようです。
楳図さんご自身も、
「あの家は“見栄え優先”で、外国から来た大事なお客さんとかをご招待して、あそこで応対したりしていました」
「あそこで話すと、話が弾むんですよ」
と語ってお、その場の特別な雰囲気を楽しめる特別な空間だったんですね!
また、楳図さんはデザインに込めた思いも強く、
「建物の基本って、僕はギリシャにあると思うんです」
と語り、ギリシャ風の円柱を玄関のデザインに取り入れていました。
この壮大な建築美を感じさせるデザインは、近隣住民には「派手すぎる」と苦情を受けることもありましたが、それもまた楳図さんの個性ですよね。
当時は裁判にもなり、大きな話題となりましたが現在では時代も変わり、独特な外観も吉祥寺の一つのシンボルとして捉えられているのも素敵ですね!
今後どうなるの?
「まことちゃんハウス」が今後どうなるのか、正確なところはわかっていませんが、楳図さんご本人が「家を売るのは面倒くさいんですよ」と語っていたことから、売却や取り壊しの意向は少なかったようです。
「あの家は今、眠っています」と表現していたこともあり、しばらくはそのままの状態で静かに時を刻んでいくのかもしれません。
一方で、楳図さんの「異次元」の美意識が詰まった建物ですから、まるで彼の作品の記念碑のように残っていく可能性も十分あります。
ファンにとっては「まことちゃんハウス」がそのまま残り続けるだけでも特別な意味があるのではないでしょうか。
将来的に、観光地や記念館のような形で利用される日が来るかも…?
と思っている方も多いはず!
何にせよ、楳図さんの作品世界を象徴するこの建物が、これからも多くの人の記憶に残り続けることは間違いなさそうです。
まとめ
楳図かずおさんの「まことちゃんハウス」は、彼の象徴ともいえる建物であり、多くの人に愛される話題のスポットでした。
2024年10月28日に亡くなられましたが、その作品とまことちゃんハウスは、今も多くのファンにとって特別な存在です。
楳図さんのご冥福をお祈りし、今後も彼の遺した芸術やエピソードが語り継がれることを願っています。